平和の島での反戦争基地建設
9月20日、沖縄の辺野古で基地建設と海上保安庁の暴力に反対する大集会がありました。沖縄の平和への闘いに力になるため、ガンジョンからも村民たちと活動家たちが 辺野古での集会に直接参加しました。
ガンジョン村民会、ガンジョンの平和を守る会、ガンジョン国際チーム、島々の連帯は辺野古へ連帯メッセージを送りました。こちらが連帯のメッセージです。
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We people in Gangjeong are eager to express our outrageous anger to what’s going on in Henoko, Okinawa. We have watched many of photos and videos of the violent action conducted by the coast guard of Okinawa against the innocent peace activists.
私たち、ガンジョンの村民は今、沖縄の辺野古で起きていることに対して、非常に怒りを感じています。私たちは映像や画像を通じて日本の海上保安庁が平和を求めている活動家達に振るった暴力を見ました。
It’s not a crime to defend the nature, peace, and be-loved hometown but it’s doubtlessly a crime to defend the base construction plan no matter how it is legal or illegal in the law system under a state. The action of the coast guards in Henoko seem to us the military itself but the enemy target is the peace-loving civilians who they declared to protect for.
自然を、平和を、愛する故郷を守ることに決して罪はないのに、国の法律では基地建設に反対することは犯罪として扱われます。海上保安庁が辺野古でやったことは、その自体で平和を愛する市民達への‘軍事力行使’だったのではないかと思います。
It’s a lie that the military and military base protect people. It must be a real ironic lie for Okinawan who have learned the painful lesson to be a base islands under the war.
軍と軍事基地が市民を守るというのは単なる嘘にすぎません。戦時中、駐屯地として苦しまざるをえなかった沖縄で、またこうしたことが起きるのは実に矛盾しています。
We have learned from our Okinawa friends that the nightmare of war experiences and state violence in Okinawa has been extended through the long-lasting existence of military bases, just like the enforcement of the naval base here has reminded many the nightmare of 43 and the history of forced militarization of Jeju by the Imperial Japan government. We are both together standing on the top of the uneven historical trauma and probably again the crossroad of the war.
私たちは沖縄の友達から沖縄戦の悲劇、そして長期間、駐屯地として受けた国家暴力について聞きました。それは済州で起きた4ㆍ3事件と植民地下での軍事化を思い出させるものでした。私たち、島々は不安定な歴史的トラウマの上に、そして、また戦争の真ん中に一緒に立っています。
We people in Gangjeong want to make a possible new way together with you.
私たち、ガンジョン村民は皆さんと共に新しい可能性への道を作って生きたいです。
Just like the thing we pray every day in Gangjeong during our struggling that the world peace will begin from our small village, so does Henoko. We people in Gangjeong request the cancelation of Henoko Bases, not only in Henoko, but all the military facilities in Okinawa islands while we are also struggling here to make Jeju a real DMZ peace island.
私たちがガンジョンでの毎日の闘いの中でいつも願っている世界平和は、辺野古のような小さい町から始まるものです。済州が本当の意味での非武装地域、平和の島になるまで闘うと共に、私たち、ガンジョン村民は辺野古の基地建設の取り消し、そして、全ての沖縄の軍事施設閉鎖を要求します。
Henoko friends, you are in our heart in our daily struggle. Our solidarity for you is really from many Okinawa friends’ inspiring friendship for us. Peace is our way.
辺野古の皆さん、皆さんはガンジョンで毎日闘っている私たちの心の中にいます。沖縄の多くの友達が見せてくれた真の友情から私達は強い絆を感じました。これからも私たちに平和が宿りますように。
2014 Sep 19th in Gangjeong
Gangjeong Village Association, Gangjeong Peace Keepers, Gangjeong International Team, and Inter-Islands Solidarity for Peace Team
2014年9月22日 ガンジョンから
ガンジョン村民会、ガンジョンの平和を守る会、ガンジョン国際チーム、島々の連帯
本文は英文から翻訳されています。
東アジアの三つの島、沖縄、台湾、そして済州の平和を求めあう関係を築くため、「平和の海国際キャンプ」が8月3日から6日まで済州島のガンジョン村において盛況に開催されました。沖縄、台湾、済州だけでなく、インドネシア、ハワイ、オーストラリア、ニュージーランド、日本、スペイン、アメリカ、韓国などから50名近くの参加者達が集まりました。
8月3日、参加者達は済州4∙3平和記念公園を訪れて済州の歴史的悲劇について学びました。
参加者達は8月4日から6日までの午前中日ごとの各トピックに対して 沖縄、済州、そして台湾のそれぞれの状況を語り合い、勉強しました。発表者達が持ち出した沖縄、台湾、済州からの島々の状況は異なりながらも繋がっているものでした。キャンプ最後の日はハワイからの活動家がハワイの軍事基地の代表的な問題について発表しました。そして、それらの発表や討論の結果として8月5日の夜から6日の朝にかけて共同声明書が作成されました。共同声明書は海軍基地建設現場の前で毎朝行われる「人間の鎖」の際にあった記者会見で四つの言語、日本語、中国語、韓国語、そして英語で発表されました。参加者達は四つの言語で反基地、反暴力、反殺人、反戦争、反核、反環境破壊( NO Base, No Violence, No Killing, No War, No Nukes, No Destruction of Nature)を謳いました。
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“海の平和、島々から世界へ”
韓国と海外からの代表達の2014「平和の海国際キャンプ」における声明
我々は新しく築いた友情の絆と共に、良心を持つ者としてここガンジョン村に集まりました。
我々は沖縄、台湾、そして済州の島々の連帯を強めるために集まった四大陸からのピースメーカーです。
「平和の海国際キャンプ」の一環として、皆さんと共にこうした連帯声明を発表できることに感動を感じます。
我々はこの海軍基地建設が地域法、国際法的に明白な違反であり、間違っていると信じています。韓国を愛する世界市民の一人として、海軍基地建設が自然の美しさと地質学的な価値を認められたこの島にこれからもたらす環境破壊のことを思うと、恐ろしさを感じます。基地建設の計画は永久にこの島の特質を変えてしまうかもしれません。長期的に考えると観光経済にも影響を与えるでしょう。我々は軍事化が済州の恵まれた自然環境を汚染、破壊し、「平和の島」というイメージに脅威を与えるだけでなく、歴史的トラウマからの集団治癒の場をなくすと強く訴えてきました。我々は 基地や国家暴力に対して長い間抗ってきた沖縄と台湾、そして東アジア島々の勇気と高潔さに励まされています。我々は同じ時代の流れの中で、数多くの同じような経験を通じ、反民主的軍事主義に対抗するため連携します。
我々は海との絆を大切にすると共に、人類共通の遺産である平和な海を守ることに全力を尽くします。
それが我々が沖縄、台湾、そして済州で国家暴力の動きに抵抗する理由です。世界の平和を守るためには北東アジアの軍事的緊張を無くすことが必需だとみられていますが、この三つの島々は非武装化と共にかつてのように海上貿易を中心にする平和な共同体を取り戻すべきです。より安全な地域と世界のため、我々は沖縄、台湾、済州を軍事基地のない新しい平和の場にすることを強く訴えます。
この声明書は国際平和キャンプの参加者全員によって作成されたものです。
2014年8月6日
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8月4日から6日までの午後にはガンジョン浦、ガンジョン川、ガンジョン海で海上活動が行われました。ガンジョン川で泳いだり、カヤックに乗ったりするなど、楽しい海上デモ活動になりました。
夜にはピースフェスティバルが開催されました。最初の日の〝歓迎の夜″ではガンジョン住民たちと副村長のゴゴンイルさん、基地反対委員会会長のジョンヨンヒさんが国内と海外からの参加者達への歓迎の言葉を伝えました。二日目の〝文化の夜″では参加者全員でガンジョン、沖縄、そしてインドネシアの踊りを習いました。ガンジョンドキュメンタリー映画「 Gureombi、風が吹いている」の上映会では監督のチェソンボさんとの対談もありました。最後の夜にはコンサートが開かれ、チェヨンボム村長からの挨拶とガンウイル主教からの映像メッセージが公開されました。
参加者全員は島々の平和を構築するのに貴重な人材です。決して一人で抗うのではなく、集団で立ち向かうことが大切です。これからの2回、3回目の沖縄と台湾でのキャンプも期待されます。
写真はこちらをご覧ください: http://savejejunow.org/?p=10112
ガンウイル主教からの平和のメッセージ映像: http://savejejunow.org/?p=10145
Translated by Sunwoo Kim, Yutaro Kondo
親愛なる沖縄の兄弟姉妹の皆さん
韓国済州島カンジョン村で海軍基地建設反対して闘う私たちは、6月23日、沖縄の皆さんとともに、人間が戦争の下でどのような非人間的な道を歩まざるをえなかったか、その苦難と羞恥を忘れることなく反省を込めて、ふり返らねばなりません。
私たちはこのような悲劇が繰り返されないことを強く望みます。しかし現在の東アジアの雰囲気は第2次大戦前とそっくりです。アメリカのアジア回帰戦略のもと、済州島もまた軍事化が進められています。これは、「4・3」の悲劇の反省から「世界平和の島」を宣言した済州島が、ナショナリズムと米軍事主義、そして国境の島の苦難という因習によって、打ち壊されることを意味するものです。米軍基地に対する闘いにもかかわらず、沖縄もまた自衛隊による新たな軍事主義のうねりに直面しています。これもまた、第2次大戦と沖縄戦を体験した苦難の教訓を、薄めるものです。
私たちは済州において、6月23日の沖縄慰霊の日、戦争に反対し起ちあがる皆さんの取組みに敬意を表します。私たちもまた歴史的教訓が歪曲されることがあってはならないと思います。
ある人は、済州海軍基地は米軍基地ではないと言います。しかし米軍事主義がナショナリズムを巧妙に利用しており、私たちは地域におけるナショナリズムを克服できてはいません。米軍事主義とナショナリズムのもとで、済州と沖縄はその両方(米軍と自国の中央政府)によって抑圧を受けています。私たちはその二重の中心部を相手にする厄介な現状、沖縄戦はこうした結果をもたらすことの警鐘でもあります。私たちは皆さんの6月23日の取組に感謝します。平和の風は私たちの村にも届いています。私たちもまた私たちの島に平和の風を吹かせたいと思います。
基地は基地です。皆さんの基地と私たちの基地の間に違いはありません。なぜなら、皆さんの平和と私たちの平和に、違いがないのと同じです。私たちが私たちの島の平和な生活を守ろうとするのは、皆さんと同じです。これが、皆さんの平和活動に対して私たちが連帯する理由です。私たちの済州の平和なカンジョン村にいつでも来てください、歓迎します。特に今年は8月3~6日に、連帯だけでなく、この地域の平和のための国際キャンプの行動を計画しております、平和の海を築き上げていくために、是非おいで下さい!
2014年6月23日
カンジョン国際チーム(강정국제팀)、平和の島 連帯チーム(평화의섬연대팀)
皆さんを招待します
平和を願う兄弟・姉妹の皆さんへ、平和の海国際キャンプへのご案内
– 親愛なる兄弟・姉妹の皆さん、-
私たちは、戦争のない平和な世界の夢を描いていますが、私たちの置かれている現実は、私たちの希望とは違って、より多くの軍隊、兵器そして軍事基地の建設により、苦しみを負わされています。済州島カンジョンでは、住民と活動家が、平和の島を守りぬくために、海軍基地建設に反対し、軍事主義に抵抗して8年目を迎えています。
沖縄も米軍基地により、70年近くも苦しめられてきました。私たちは、経済面だけでなく軍事面においても強大化する中国が、台湾の平和な未来のために寄与できるだろうか、とても疑問を感じています。日本と中国は、尖閣諸島(中国名:釣魚島)に対する領有権を主張し、争っています。日本は、韓国とも独島(日本名:竹島)をめぐる紛争を抱えています。韓国も、中国と離於島(中国名:蘇岩礁)という岩礁をめぐって、海上主権の紛争に見舞われています。
アメリカはアジア回帰を宣言し、東アジアの軍事同盟諸国で、MD(ミサイル・ディフェンス)システムを強化しています。私たちは、私たちの島々をとりまく東アジアの海を、武力紛争のない、平和の島として守り抜くことを望んでいます。これは、単に一つか二つの島の住民の努力で叶えられるような希望ではありません。東アジアの島々すべてが連帯して協力すべき問題です。こういった趣旨から、今年8月3日から6日まで、韓国の済州カンジョン村において、「海の平和国際キャンプ」を開催することとなりました。ぜひ、お越しいただき、皆さんの島が被っている軍事化の弊害と苦難を分かち合い、平和の島への希望を伝えてください。
今回の平和キャンプは、単に知識や情報の交流というレベルにとどまらず、午後には様々な海上活動に参加できます。夕方には、参加者みずから、自分の文化を紹介する集いを開きます。平和の海へ、皆さんをご招待します。わたしたちは、今回のキャンプを通して、紛争の暗雲が立ちこめている東アジアの島々と海に、平和の希望が生きかえることを願っています。
午前 講義:
1.戦争基地による海洋生態系の破壊
海洋生態系は様々な原因によって破壊されている。本討論では主に、戦争と軍事訓練、軍事基地建設などによって引き起こされる多くの環境破壊の事例を集中的に議論し、済州海軍基地が建設中のカンジョン沖、長い間軍事基地と共に生きてきた沖縄、そして軍事主義によって破壊される台湾の海洋文化と環境破壊の実態を報告する。
2.沖縄・台湾・済州、島々の闘い
沖縄と台湾と済州、これらはみな国家暴力によって犠牲となった歴史的にとてもよく似ている島々だ。また、そのような不当な公権力に立ち向かい、勇敢に闘ってきた平和活動家たちがいた島々だ。本討論では、このように軍事主義に立ち向かい闘ってきた3つの島の平和運動について語り合い、互いの協力と連帯のための共感帯を形成する。
3.米国の軍事主義
米国のアジア回帰(Asia Pivot)が意味する米軍事主義の変化と、それによる東アジアの新たな軍事的地形図を確認しながら、米軍事主義による東アジア国家の安保の脅威を議論する。
4.平和の島連帯
参加者たちが国際的な非武装・平和の島連帯を模索していくための実践的な運動について考え、この連帯を持続、発展させていくための中・長期的な会合日程を議論する。
more information: https://sites.google.com/site/peacefortheseajapan/
平和の島国際キャンプ準備チーム/平和の島連帯チーム/カンジョン平和学校/The Frontiers/
カンジョン村会/カンジョン国際チーム/Hot Pink Dolphins/済州環境運動連合
2014年5月9日 済州・カンジョンより peaceforsea@gmail.com
沖縄-韓国連帯集会 済州報告(エミリー) 2014/5/17 翻訳:高橋年男、有銘佑理
私の名前はエミリーと言います。台湾人です。2011年から江汀で暮らしながら海軍基地反対の国際活動を一緒に行っています。江汀の闘いを通して、沖縄が受けている苦難の現実と、済州の悲劇の歴史を学びました。私にとってこの経験は、私が生まれ育った台湾に対して多くの疑問を投げかけることになり、もっと学ぶきっかけになりました。そして、済州、沖縄、台湾が同じ歴史の中にあることを知りました。このして3つの島が一緒に平和を実現できるんだ、ということを確信するようになりました。
済州と沖縄の、この二つの島が、共に立ち向かっているのは、米軍基地と軍事主義です。
現在、済州では海軍基地が建設されています。空軍基地も入ってくる恐れがあります。そうなれば済州は沖縄のように、徐々に軍事化されていくかもしれません。
沖縄に来て、済州の状況を見つめるとき、この二つの島および、米軍基地のために苦しんでいる他の島々は米軍を追い出すために一緒に連帯しなければならないと思います。
しかし、台湾の場合は少し状況が異なります。実際、米軍基地は存在しません。かつて冷戦時代には台湾政府がアメリカと同盟関係にあり、台湾にも米軍基地がたくさんありました。1972年に沖縄は、米軍から日本政府の統治に移りましたが、沖縄は米軍基地を撤去することができず、むしろより多くの米軍基地が沖縄に移ってきました。台湾からは米軍が出て行きましたが、それは冷戦の終息を意味するものではありませんでした。
中国の脅威という理由で、台湾は依然として米軍の傘のもとに置かれています。このような意味から、私たちの島はかつての冷戦時代からあたらしい冷戦時代に共に移ってきたのです。台湾の平和は、アメリカと中国の間の軍事力の牽制と均衡によってかろうじてもたらされているにすぎません。
見た目には異なっていても、私たちの苦痛は同じ構造のもとで起きており、
東アジアのこの3つの島は歴史的経済的な背景により発生した対立の同じ圏域に置かれているため、台湾は沖縄と済州とともに非武装・平和の島の連帯を一緒にめざしていかなければなりません。
すでに歴史は私たちが共通の運命を持っていることを明らかにしています。非武装・平和の島は、決して一人では作り上げることはできず、一人だけで平和を築くことはできません。他の島に犠牲をもたらす平和は恥ずかしいものです。
私たちにとって、地域の対立を解決するためには、強い意志と創意が必要です。そのために、この夏の8月に、済州において「平和の海のための国際平和キャンプ」を開催します。特に沖縄と台湾からたくさんの人々をお招きしたいと思います。このイベントは平和のための島々の連帯実現のためのささやかな第一歩になると思います。
戦争の基地がもたらす破壊に対する認識、島の人々の観点から海についての話を聞き交流すること、そして平和の島の連帯について共有し、海の平和活動を広げることが目標です。
今年はまず、済州が主催することにします。今後は沖縄と台湾も一緒に順番に回りながら非武装・平和の島連帯の理解を基礎に、関連する行動もできるようになればと思います。
済州・沖縄・台湾は、韓国・日本・中国の国境の島ではなく、私たちが愛する故郷であり、私たちの家です。昨日、普天間基地周辺を巡りながらこのようなパネル(注:嘉数高台に設置されている案内パネル。普天間基地返還後の跡地利用構想が書かれている。)をみつけました。ここに住む人々はこの基地を返還させる闘いをしているだけではなく、基地返還後にこの地域をどのように利用していくかについて夢を描いています。
私たち、3つの島は、米軍基地が去った後、どのような平和の島を作り上げていくのか共に考えていくことが必要だと思います。